宮城県の注文住宅の相場をご紹介!坪単価だけをみるのはNG?
宮城県の構造別注文住宅相場価格まとめ
「フラット35利用者調査:住宅金融支援機構」のデータによれば、宮城県の構造別注文住宅相場価格は以下の通りです。
木造 | 鉄骨造 | RC造 | |
---|---|---|---|
坪単価 | 53.5万円/坪 | 61.9万円/坪 | 76.9万円/坪 |
延床面積 | 39.6坪 | 42.4坪 | 59.6坪 |
総費用 | 3,338万円 | 3,506万円 | 4,238万円 |
延床面積は実際に建てた面積、総費用は実際に支払った金額の、それぞれ平均値となっています。
総費用の内訳①土地代金
土地そのものの価格の他に、「印紙税」「仲介手数料」といった費用が含まれます。
- 印紙税
- 土地の価格によって変動しますが、1,000万円~5,000万円までの税額は1万円になります。
- 仲介手数料
- 土地の売り主と買い主の間に不動産会社を仲介している場合、その仲介業務の対価として対して発生する費用で、土地価格の3.24%+6.48万円を上限と定められています。
また、地盤の強度や建てる家の構法によっては「地盤改良費」がかかるケースもあります。その他、場合によってはかかるかも知れない別途費用については、以下の通りです。
- 解体工事費用
- その土地に古い建物がある場合、これを取り壊すための費用です。
- 地盤調査費用
- その土地が家を建てられる状態にあるかどうかを調査するための費用です。
- 地盤改良工事費
- 地盤の強度が不十分な場合、家を建てられる状態に補強するための費用です。
総費用の内訳②設計料
設計料とは、設計作業の対価として発生する料金を指します。設計図面の通りに工事が行われているかをチェックする「監理」を含める場合は、設計監理料と言います。設計料は、施工依頼先によって異なります。
- ハウスメーカーの設計料
- ある程度仕様が決まっているハウスメーカーの場合、設計作業のコストは比較的低く、2~3%の上乗せ程度で済むのが一般的です。中には見積書に敢えて「設計料」を載せない会社もありますが、各細目に割り振って総額は変わらないようにしてあるとお考え下さい。
- 工務店の設計料
- 工事契約の前に設計契約を取り交わす工務店の場合、工事費3~5%前後を設計料として計上します。設計契約の手続きを踏まない工務店については、工事請負契約書中に上乗せされています。
- 設計事務所の設計料
- 設計事務所の場合、設計料は監理が加わった「設計監理料」になります。設計監理料は工事金額×料率で算出され、料率は工法や施工額によって異なりますが、3000万円の木造住宅で10%~15%が目安です。
総費用の内訳③建築工事費
建築工事費は、さらに細かく「本体工事費」と「別途工事費」の2種類に分けられます。
「本体工事費」というのは、いわゆる注文住宅の「本体価格」と呼ばれるもので、建築工事費の内の75~80%が相場です。例えば「本体価格2,000万円」と謳われる家の場合、2,000÷0.75=2,667万円となり、実質的には広告価格よりも600万円以上高くなることが考えられます。
一方「別途工事費」は建物以外にかかる費用のことで、ガスや水道などの敷設工事、駐車場や庭などの外構工事などがこれに当たります。目安として建築工事費の内の15~20%と考えておきましょう。
本体工事費に含まれるもの- 仮設工事費用
- 工事に必要な足場や仮設電気、水道、職人用のトイレ設置などにかかる費用です。
- 基礎工事費用
- 構造全体を支える基礎工事にかかる費用です。
- 木工事費用
- 構造材や造作材などの加工にかかる費用です。
- 屋根・板金工事費用
- 屋根の瓦や葺きつけ、雨どいや水切りの取り付けにかかる費用です。
- 外装工事費用
- 外壁のサイディングや塗り壁など、屋外の装飾にかかる費用です。
- ガラス工事費用
- 屋外に面した窓の取り付けと防水にかかる費用です。
- 左官工事費用
- 玄関や洗面、お風呂などのタイル、左官による装飾にかかる費用です。
- 断熱・気密工事費用
- 壁、床下、屋根などに断熱材を取り付けにかかる費用です。
- 木製建具工事費用
- 屋内の木製ドア、障子などの加工、取り付けにかかる費用です。
- 金物工事費用
- ドアノブやドアフック、手すりなどの取り付けにかかる費用です。
- 電気・水道工事費用
- 家の中の電線や電話線、水道管などの配線、配管にかかる費用です。
- 空調工事費用
- 空調ダクトや換気口の取り付けにかかる費用です。
- 防腐・防蟻工事費用
- 構造材を腐食やシロアリから守る薬品にかかる費用です。
- 内装仕上げ費用
- 内壁、天井に塗装やクロス貼りなどの装飾にかかる費用です。
- 住宅機器設備費用
- お風呂場やキッチン、トイレなどの設備機器にかかる費用です。
- 引き込み工事費用
- 水道管やガス管などを土地に引き込む工事にかかる費用です。
- 敷き設工事費用
- 土地に引き込んだ水道管などを家の内部に引き入れる工事にかかる費用です。
- 外構工事費用
- 駐車場や玄関までのアプローチや犬走りなどを造設する場合にかかる費用です。
- 造園工事費用
- 庭の石垣や植栽などを行う場合にかかる費用です。
- 屋外電気工事費用
- 屋外の照明や給排水の設置にかかる費用です。
- 特殊設備工事費用
- 太陽光発電や蓄電設備を取り付ける場合にかかる費用です。
- 空調設備工事費用
- エアコン本体や室外機、換気扇などの取り付けにかかる費用です。
- 照明器具工事費用
- 照明器具の取り付けにかかる費用です。
- カーテン工事費用
- カーテンやブラインドの取り付けにかかる費用です。
総費用の内訳④諸費用
諸費用とは、土地・建物には含まれない、別途発生する諸雑費を指します。多くの金融機関では、原則として工事請負契約に含まれるものを住宅ローンの対象としているため、諸費用は自己資金で用意する必要があります。
- 登記手数料
- 土地や不動産の所有者を登記簿に記載し、所有権を得るための手数料です。
- 住宅ローン保証料
- 住宅ローン返済に当たり、信用保証会社からの保証をつけるための手数料です。
- 物件検査手数料
- 住宅が国の建築基準に違反していないかを調査するための検査費用です。
- 仲介手数料
- 仲介業者で注文住宅を建てた場合に支払う手数料です。
- 引っ越し費用
- 完成した家に引っ越すために、引っ越し業者などに支払う費用です。
- 家具購入費
- 完成した家に住むための家具、家電の購入費です。
総費用の内訳⑤税金
家づくりにかかる税金は以下の通りです。
- 印紙税
- 売買契約書や工事請負契約書を作成するために必要な収入印紙です。契約金額にもよりますが、5千円~2万円の税額が一般的です。
- 消費税
- 2014年4月から8%に引き上げられました。
- 登録免許税
- 不動産取得で登記をしたときにかかる税金です。「諸費用」で挙げた登記手数料とは別に、国に収める税金になります。固定資産税評価額×税率で割り出すことができます。
- 固定資産税
- 家を所有している人が毎年支払う地方税です。固定資産税評価額は、本人だけが取得できる「固定資産税評価証明書」を市税事務所などで取ってくれば確認することができます。
- 都市計画税
- 都市計画法に定められた市街化区域内に家を所有している人が毎年支払う地方税です。
- 不動産取得税
- 不動産を取得したときに都道府県に支払う都道府県税です。不動産の価格×税率で割り出すことができます。(宮城県の税率は不動産価格の3%です)
諸費用と税金とを合わせた金額が「建築工事費」の7%~10%になるのが一般的だと言われています。つまり、総予算が3,500万円の場合、家にかけられるお金は3,150~3,255万円ということになります。
坪単価だけで予算を考えるのは大きな誤算
注文住宅にかかる相場価格とその内訳が把握できれば、「坪単価」だけを見て総費用を想定することが間違いだと気付くことができますね。
先に述べた相場価格とその内訳を用い、総費用を算出する計算法についてご紹介いたします。
相場から総費用の概算をしてみよう宮城県に35坪の木造住宅を建てる場合
- 本体工事費用
- 宮城県木造住宅の平均坪単価が53.5万円なので、
35坪×53.5万円=1,873万円 - 別途工事費用
- 本体工事費用の20%なので、
1,873万円×0.2=375万円 - 建築工事費用
- 本体工事費用と別途工事費用の合計なので、
1,873万円+375万円=2,248万円 - 諸費用
- 建築工事費用の10%なので、
2,248万円×0.1=225万円 - 総費用
- 建築工事費用と諸費用の合計なので、
2,248万円+225万円=2,473万円
予算から建てられる家の大きさを逆算してみよう宮城県に予算3,500万円の木造住宅を建てる場合
- 本体工事費用
- 総費用の75%なので、
3,500万円×0.75=2,625万円 - 延床面積
- 本体工事費用÷坪単価なので、
2,625万円÷53.5万円=49坪
相場から計算で求められる費用はあくまでも目安です。ご自身に合った資金計画を立てるようにしましょう。
予算別に解説どんなグレードの家が建てられる?
注文住宅を建てている人は、どれくらいの広さの家に、いくらくらいの費用をかけているのでしょうか。「住宅金融支援機構」のデータによれば、広さ30坪~40坪程の注文住宅に、建築費2,500~3,000万円というのがもっとも一般的なようです。
注文住宅のカタログやモデルハウスなど見てみると、中には1,000万円台で建てられる家や、4,000万円以上の家など、さまざまな価格帯の住宅商品がありますが、金額が違えば当然、外観や間取りになどにも違いが生まれてきます。
1,000万円台の注文住宅はコストを抑えたシンプルな家
- 間取り希望実現度
- ★☆☆☆☆
- 外観希望実現度
- ★★☆☆☆
- 内装希望実現度
- ★★☆☆☆
- 設備希望実現度
- ★★★☆☆
相場よりもかなり予算を抑えることになる1,000万円台の注文住宅は、特に単価が高い「外壁材」を最小限に抑えるため、真上から見て長方形や正方形になるような単純な設計となっています。仕上げ材にもレンガや装飾部材などは使用しないことが多いので、白一色の外壁といった、シックな外観になるでしょう。
複雑な形状の屋根は、施工面積が増えて使用する材料が多くなり、屋根足場が余分に必要となるケースもあるため、屋根の形もなるべくシンプルな「切り妻」か「片流れ」になるようです。
内装については、システムキッチン、トイレ、水栓金具、サッシなど、メーカーや品番の指定はせず、施工会社に在庫として残っている既製品を上手に活用し、コストを抑えます。
間仕切り壁を仕上げるための材料費を削減するため、オープンな間取りになることが多いのも特徴です。
2,000万円台の注文住宅は部分的にこだわり要素を取り入れられる家
- 間取り希望実現度
- ★★☆☆☆
- 外観希望実現度
- ★★★☆☆
- 内装希望実現度
- ★★★☆☆
- 設備希望実現度
- ★★★★☆
1,000万円台に比べると予算に余裕のある2,000万円台の家は、来客の目に触れる機会のない個室や収納スペースの内部は安価なクロス張りにし、LDKは割高になっても高価な素材で仕上げるなど、予算配分にメリハリを持たせることで、ハイグレードな設備や素材を、一部取り入れることができる家です。
- 外壁の仕上げ材にレンガやタイルなどを使う
- キッチンやバスルームに最新設備を導入する
- 洗面カウンターにガラスモザイクを導入する
- ドアや窓にいいものを使う など
全ての希望を叶えることは難しいかも知れませんが、どこかで削ったコストを充てることで、上記のようなこだわりも実現できるのが、この価格帯の注文住宅の特徴と言えます。
3,000万円台の注文住宅は希望することがおおむね叶う家
- 間取り希望実現度
- ★★★☆☆
- 外観希望実現度
- ★★★★☆
- 内装希望実現度
- ★★★★☆
- 設備希望実現度
- ★★★★☆
全国で建てられている注文住宅の平均的な建築費用に近い3,000万円台の予算を確保できれば、一般的な住宅の設備や建築資材のグレードをワンランクアップさせたり、家の大きさを広げたりすることも可能となります。基礎工事やコーナー処理が増える「部分二階建て」や、塀や柵などの外構を設置するなど、機能面だけでなく「デザイン性」もある程度追求することができます。
無垢材のフローリングも、檜や杉に比べて割高な「オーク」や「ウォールナット」などを取り入れることができ、建具や家具の素材にもこだわることができるでしょう。
次から次へと盛り込んで予算オーバーになりがちな価格帯でもあるため、予算に合わせてお金をかける箇所、コストを抑える箇所のバランスを保つよう心掛けるようにしたいところです。
4,000万円台以上の注文住宅は予算内に抑えることを最優先としなくてもいい家
- 間取り希望実現度
- ★★★★★
- 外観希望実現度
- ★★★★★
- 内装希望実現度
- ★★★★★
- 設備希望実現度
- ★★★★★
全国で建てられている注文住宅の平均的な建築費用を大きく上回る4,000万円台の家というのは、予算にかなり余裕のある人に選ばれる、さまざまなプランが実現可能な家になります。
予算に合わせて取捨選択していくというよりも、惜しがらずにどんどん希望を盛り込んでプランニングを進めた結果、建築費が4,000万円台になったというパターンもあるかも知れません。
憧れではあるけれどなかなか手の届かない100~200万円の高価格帯のシステムバスや、無垢材のウッドデッキを設置することも難しくなく、また中庭のあるロの字型やコの字型の家のように、外壁面積が多くなる複雑な設計も可能となります。
かけられる予算により、注文住宅のグレードは大きく変わってくるということについて述べてきましたが、これらはあくまで目安であり、施工依頼先やエリア、地形、周辺の環境などによっては、同じ費用でもまったく違う家が建つのも事実です。
納得のいくマイホームをを手に入れるため大切なのは、自分たちの予算や希望にマッチした注文住宅会社を正しく見極めるところにあるのです。
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