木の家って耐震性・断熱性・気密性は大丈夫?
木の家は性能が心配?
自然素材を使って建てられた木の家、健康には良さそうだけど性能的にはどうなんだろう…と心配な人もいるかと思います。実は私は、「木は燃えるから火事には弱そう」と思っていました。ところが調べていくと、「むしろ木は周りから炭化していくため燃えにくく、まっくろに炭化していても中心部は燃えていないことが多い」ということがわかりました。このほか気になる耐震性・断熱性・気密性について調べましたので、木の家の各性能についてここで解説します。
木の家の耐震性はどう?
実は、耐震性についても「地震が来たら木なんて折れてしまいそう…」と思っていた私。ですが、木造建築は地震にとても強いことがわかりました。
木は、建築材料としては軽くて丈夫なものの代表といわれることもあるほど強度があって柔軟性も高く、「地震に粘り強い素材」なのです。世界遺産の法隆寺は、陸上に現存する世界最古の木造建築物で、なんと1,400年以上前に建立したもの。いかに木が強く丈夫かを物語っていますよね。そんな木の良さを最大限に活かしてくれる昔ながらの木造軸組工法(在来工法)についても、現在では接合部に金具を使ったり耐力壁を使用したりと最新の建築技術を組み合わせることで、より強固な家が作られています。
これらのことから、むしろ木造建築の方が安心だと思いました。ただひとつだけ、注意点が。自然素材の家では無垢材が使われていますが、これはとても取り扱いが難しいものです。建築材になるまでにしっかり乾燥させたり木の性質を読み取って製材する必要があったりするので、「熟練の職人がいる」というような技術面のしっかりした会社に頼むことが大切です。
木の家の断熱気密性能はどう?
そもそも断熱気密性能はそんなに大事なのでしょうか?断熱気密とはそれぞれの文字が表す通り、家の中と外での「“熱”のやりとりを“断”ち」、「“気”体のやりとりをなくして“密”閉する」ことです。これらが機能しているからこそ、常に快適な屋内環境でいられるわけです。では、木造建築でそれらは叶うのでしょうか。
実は「木」は熱を伝えにくいという性質があります。真冬に木を触ってもそんなに冷たくありませんよね。それは、木は無数の細胞からできていて、それぞれが空気を抱え込んでいるから。空気は熱を伝えにくいですからね。このことから、「木は暖かい」と言われることがあります。
では、気密性についてはどうでしょうか。木造建築は木だけで出来ているわけではありません。気密シートや断熱材を使うことで、断熱気密性能が格段に上がります。自然素材の家では「セルロースファイバー」という断熱材がよく使われていますが、これは新聞や段ボールの余剰古紙を再利用して作られた断熱材です。自然素材でできているため環境・健康にも優しく、高い断熱気密性を確保できます。
せっかくの木の家ですから、断熱材にも自然素材を求めたいですね。